恩師との試合

 私が高校時代、卒部式の時に、みんなの前で誓ったことがある。

「いつか指導者になり、松田先生を倒す」

いつしか叶えたい目標だったはずが、叶えなければいけない目標に変わり

それを叶えるため、大学時代に教員免許を取得し大学卒業と同時に本校に赴任した。

そして教員三年目ようやく一つの目標に辿り着こうとしている。


今の私の礎を形成した人は、間違いなく高校時代の恩師である松田先生だ。

とにかく負けず嫌いで、勝ちに対してのこだわりが強く

妥協を許さない先生であった。

対戦相手のスカウティングを欠かすことがなく、

勝つためにできる準備はなんでもやる。

高校時代、褒められたことはほとんどない。

叱咤されることの方が多く、退部させられたことだってある。

でも「サッカーを通して大人になる」ということを一番学び

そして「勝者のメンタリティー」を培って頂いた。

同じ指導者の立場となり、高校時代に伝えて頂いたことで、わからなかったことも

今ならはっきりわかる。

だからこそ越えたい。越えなければいけない。


「言われてもやらないのが三流。

 言われてやるのが二流。

 言われなくてもやるのが一流。」


松田先生に教えて頂いたこの言葉は今でも私の中で教訓となっている。

高校を卒業して7年。あれから少しは一流に近づけているだろうか。

成長しているだろうか。

そういった意味でも今回の対戦は成長した姿を見せ、勝って恩返しがしたい。

もちろん大前提として今回の対戦は私が戦うわけではないが

特別な感情を抜きにすることはできない。


「70%の自信、30%の不安」


これも先生に教えて頂いた言葉である。

このパーセンテージが逆になってもダメ。増えても減ってもダメ。

自分たちはこれだけやってきたという自信と、

対戦相手も強い、自分たちはチャレンジャーだと思う不安。

楽しみな気持ちも大きい。同時に不安もあるが、

今は70%の自信、30%の不安を保てている。


そんな松田先生に、柳ヶ浦の生徒と共に、挑戦するときが来た。

この挑戦を、大分県を獲るため、そして全国で勝つための過程にしたい。

今の生徒達なら必ず成し遂げてくれると信じている。


願わくば、決勝戦、最後のハードルが松田先生であったなら、

ドラマみたいな展開で面白かったが、

今回の決戦は、まだまだこれから続いていく師弟対決の序章に過ぎない。


いつしか叶えたい目標だったはずが、叶えなければいけない目標に変わり、

今週、必ず叶える目標へと変える。


結びに、今大会が開催できることは決して当たり前ではなく大会運営に

携わって頂いてる方、また、沢山の方のサポートがあっての大会だと感じています。

このようなコロナ禍の中、先が見えない不安や恐怖心もありますが、

柳ヶ浦高校として、チーム理念である情熱・誠実・献身のもと

フェアプレーや最後まで全力で戦う姿で

サポートして頂いている方々に、少しでも勇気や元気を届けられるよう精進して参ります。



これからも柳ヶ浦高校男子サッカー部の応援をよろしくお願いします。


サッカー部 顧問

山本 隼斗

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